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SNGは復習が肝心!

どもども2割引です。

※2割引のポーカー記事は初心者の方を対象としています。

※用語等が間違っていることもありますがご了承ください。

※2割引はそこまで上手くないです。

 

今月は初っ端からひどい負けが続いてちょっと凹んでいましたが、やっと180manSNGで優勝できたのでひとまず安心といったところです。

負けている理由が下振れなのか実力なのか怪しいところですが、中長期のダウンスイング中はもうこの先ずっと上手く行かないんじゃないかというような閉塞感に襲われます。特にMTTSNGは1回優勝するまでの時間が長いので、長い間それに耐えなければなりません。分散は大きいので、そういうこともあるよねと心に余裕を持つことは非常に大事です。

 

心に余裕を持つこと以上に大事なことは、復習をすることです。

復習に勝る重要なことはありません。セッションの見直しと反省は何よりにもROIに直結します。ポーカーを復習するための方法にはいくつかありますが、SNGをシリアスにプレイするためには、HRC(HoldemResources Calculator)を利用する方法が一般的です。

 

SNGの中~終盤にかけては、ブラインドが大きくなってくるため、基本的にプレイヤーはプッシュorフォールド、相手のレイズに対してプッシュ、プッシュに対してコールなどプリフロップでの大きな判断を求められます。

そこを復習するためのツールがHRCです。賞金期待値(ICM)やナッシュ均衡を用いることにより、かなり最適に近いレンジへアプローチしてくれます。最適に近いと表記したのは、完全ではないからです。微調整として人の手を借りるところもあります。

 

今回は興味深いハンドがありました。

トーナメントの終盤、セミファイナル残り14人(おそらく)の場面です。

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自分はショートの3BBプッシュだけであれば特に関係なかったのですが、BTNの23BBプッシュに対してフォールドしました。

 

しかし、HRCはこのフォールドに対してメジャーエラーを示しました。

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A9oまではコールしろと示しています。

ナッシュではBTNのプッシュレンジは上位から22.9%です。そのレンジに対して13.1%のレンジでコールしろというわけです。

しかし、マイクロレートのMTTSNGプレイヤーは終盤にかけて基本的にロックに近いタイトであることがほとんどです。180manSNGはトップ偏重のプライズのため、優勝を目指すアグレッシブなプレイが基本的には正しいことが多いのですが、マイクロのプレイヤーには飛びたくない、チップを減らしたくないという心理が強く働くため、バブル付近やファイナルバブル付近、賞金の上がるタイミングでかなりタイトになる傾向があります。

上の表は、22.9%でBTNがプッシュしてきているという想定ですが、コールレンジは相手のプッシュレンジに依存しますので、より正確なレンジを得るためには、これをもっと調整してやる必要があります。

一般的なマイクロプレイヤーのレンジを考えて、A7oやK9s以下を削り15.7%くらいでどうでしょうか?

 

BTNの15.7%のレンジに対して僕がコールするべきレンジは以下のようになりました。

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9.5%まで減りました。しかし、AJoは依然としてコールしろとHRCは示しています。

 

しかし、本当にそうでしょうか?

僕がHRCで計測した結果をHRCを盲目的に信用しようとしていた矢先、HM2やHRCなどのツールの使い手として第一人者であるポーカープレイヤーのhirozoさんからとてもありがたいアドバイスをいただきました。

HRCにはMTTに弱いというやむを得ない欠点があります。180manSNGはMTTSNGのため、セミファイナルまでは自分がプレイする他にもテーブルが存在しているはずなのですが、他のテーブルの状況はデータには記録されておらず分らないので、HRCの計算から完全に排除されてしまうのです。

 

また、同じ理由でプライズもトップオンリーにせざるを得ませんが、実際はすでにインマネしています。プライズをトップオンリーにすることで、本来はセミファイナルであるにも関わらず、この使い方ではシュートアウトトーナメントと同じ状況下での計算結果になってしまいます。こうしたレンジのことをチップEVのレンジと呼びます。

それでも、プッシュ側のレンジはほとんどの場合においてHRCを盲目的に信用してチップEVのレンジでも大きな間違いではないとはいえるかもしれません。なぜなら、平均的なマイクロプレイヤーのコール側のレンジはナッシュレンジよりもだいたいの場合においてかなり狭いからです。前述したようにバブル時においてはさらに狭いです。

トーナメントにおいて、プレイヤーはバブルファクターが常にかかった状態でプレイすることになりますが、終盤につれそれは上昇し、正しいコールレンジもそれによって変化するのが当然でしょう。特にセミファイナルでのコールレンジはHRCでは最適解に近づけないのです。残りの部分は人間の感覚で補う必要があります。

 

しかし、そこの感覚を半ば無理やりに補ってくれるソフトもあります。

それがICIMIZERです。このソフトでは、本来はデーターが残っておらず状況が分らないはずのほかのテーブルの状況をランダムで作成し、それを元に擬似的なICMを加味した計算を行ってくれます。賞金ストラクチャーもトップオンリーではなく実際と同じものを使用しています。もちろん最適解ではありませんが、HRCよりもセミファイナルでの計算は最適解に近づいている可能性が高いのです。

その結果が以下です。

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BBのコールレンジは4.2%まで減少しました。AJoも除かれています。セミファイナルでそこそこ上位を狙えるチップを持っている状況下では、テーブルチップリのBTNのプッシュに対して非常にコールしづらいということが分ります。このように、複数のソフトを用いて計測することも時には重要となります。

基本的な復習はHRCを用いることが圧倒的に高効率ですが、僕のようにまだトーナメントバブルファクターやICMについての理解が備わっておらず、感覚が研ぎ澄まされてないプレイヤーはこのような補助ツールを使うべきだと思います。ICIMIZERはまだ無料会員ですがこれがちで買っちゃおうかな・・・。

 

ということで、今日はこのへんで。

いやー今月はまだまだ負けてます!つらい!

 

今回の記事に関してはhirozoさん、inariageさんから大変ありがたいアドバイスをいただきました。ありがとうございました。

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2割引 2割引 • 2015年6月11日


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Comments

  1. こめかみ

    こめかみ 2015年6月11日 - 11:49 PM Reply

    HRCではコールと表示されていても相手がかなりタイトな場面でどうしたものかと考える場面がたびたびあったので大変勉強になりました。ありがとうございます!
    macでもICMIZERは使えるようなので学習に取り入れてみます。

    • 2割引

      2割引 2015年6月12日 - 9:55 AM Reply

      特にコールレンジは相手のプッシュレンジに依存するので、ナッシュから相手のレンジがどれだけずれているか把握することがとても大事かつ難しいですよね。とんでもないです、僕もいつも悩むところです。
      ICIMIZERは使い勝手がHRCと比べてすこぶる悪いのですが、たまにはこういう活躍も見せます(笑)

  2. マートン 2015年6月11日 - 11:13 PM Reply

    cEVでのナッシュ、相手のプッシュレンジを変えてのコールレンジ確認、そしてある程度バブルファクターを考慮できるICMIZERを使った分析。
    いろいろな角度から面白かったです。
    こういう記事は知らない人だけじゃなくて知ってる場合でも再確認にもなるし凄くいい記事。

    • 2割引

      2割引 2015年6月12日 - 9:56 AM Reply

      とんでもないですありがとうございます!
      復習はいろいろな角度から分析することが大事とは親分さんの教えですね。
      時間はかかりますがとても大切なことだと感じました。

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