コマース合宿の何気ない日常

朝6時、僕はベッドに向かう。
残念ながらこの時間までポーカーをしていたのではない。
昨日買った漫画を読んでいたためだ。
最近ではKindle他海外にいても新刊が買えるサービスがあり、趣味の時間は充実している。
なお、この時点で同居人二人の姿はまだない。恐るべきことに彼らは正真正銘プレー中らしい。

朝9時、アホがうるさくて半強制的に起こされる。
ノイズキャンセリングイヤホンを使い、伊集院光のラジオを流しながら寝ている僕が起きる勢いで騒いでる奴がいる。
早く鼻血がでるまで殴られるのを期待しているが、やるのは例の彼ではなく僕になる可能性もありそうだ。

朝10時、二度寝できないので洗濯に行くことにする。
当然雑用は下っ端の仕事だ。
もちろん僕である。
コインランドリーに行き、洗濯中の暇な時間は隣のスーパーへ。

最近風邪気味なので薬とビールを買おうとするも、身分証がいるとのこと。
酒はともかく薬まで身分証がないと買えないとはアメリカは厳しい。
買物は諦めて床屋へ行くことにした。
料金表に６種類しかないのにモヒカンがある。
普通モヒカンなんて人生で一回もしないだろうと思うが、
僕もなぜか去年ロサンゼルスでモヒカンにしてしまった。
西海岸には人をモヒカンにしてしまう不思議な魔力があるのだろう。

正午、帰宅してプールへ。
コマースの昼間のプールは専業だらけである。
お互いこいつら早く帰国しろよと思いながらニコニコ挨拶する。
白人たちはほとんど泳がずビーチチェアでくつろいでる横を僕は猛スピードで泳ぎ、合間に筋トレに励む。
ポーカーで勝てなくとも筋肉で威圧することには成功したはずだ。

午後3時、昼寝の最中に顔見知りのドアマンが部屋に侵入してきた。
家賃が足りないからおまえら早く金払うか出て行けとのこと。
最初に3000＄払ったからすっかり安心していたものの、
ロサンゼルスの家賃はどんどん上昇しており、
半月ほどで保証金が尽きてしまったようだ。
すでに容赦なくカードキーは無効にされており、
エレベーターすら使用できなくなっていた。
非常にシビアである。

午後7時、セッション開始。
一ハンド目CO AsTsで3bbレイズすると、
BBのアグレレギュラーから17bbのリレイズ飛んでくる。
こちらのレイズサイズが小さく弱いハンドと決めつけ、
エニハンででかいリレイズをするよくあるパターンである。
もちろんそれを知っているのでオールイン100bb。
相手はスナップコールでKKショー。
読みは外れたが当然フロップAがおちて速攻でダブルアップ。
ポーカーは簡単である。エクイティより肩で勝つ。
あらためて卓を見渡すが自分より弱そうなのがいないため、再度身分証を持ち買物へ。

午後9時、ビールと風邪薬を買い家に帰り、戦利品を冷蔵庫にしまおうとする時に一本のビールに違和感。
よく見ると空き瓶に蓋が戻された状態のビールが一本混じっていた。
我ら貧乏人が行くような底辺御用達スーパーは油断も隙もない。
ちなみに、なぜかアメリカなのに冷蔵庫は納豆だらけだ。